ハナイバナ、ワスレナグサ

ハナイバナは、早春の3月頃から咲いていた。最初、キュウリグサという名前を知っていて、それに似ているようでどこか違うと思っていたら、いつもの植物雑学辞典によれば、キュウリグサよりも花が少なくて、「葉と葉の間に花が付くという意味で「葉内花」である」とのことである。普通に読めば、「花いばな」と読みそうなのだが…。





この植物の学名は Bothriospermum tenellum で、 bothrion 小穴、sperma 種子ということなので、種子の写真も撮ってみた。たしかに、縮小前の元の写真ならば、思いっきり拡大した時に、4つ並んでいる中心部のところに穴が開いているようにも見える。

ハナイバナはムラサキ科に属する。ムラサキ科がどのような特徴なのかまったく知らなかったのだが、ちょうど妻が花壇に植えていたワスレナグサを一目見て、まさにムラサキ科だと思えた。


ワスレナグサという名前は、まさに名前談義の絶好の対象だろう。英語の Forget-me-not は、ドイツ語の Vergissmeinnicht の直訳なのだろうが、ドイツ語は命令形に格変化しているのだろうから、英語の語順がこのようになることの理由はよくわからない。



さらに、勿忘草とくると、どういう訳か倍賞千恵子の歌が耳にこびりついている。あまりにもベタベタの歌で、特別な場合にしか聞く気にならないように思うが、そのことと同様に、花壇のワスレナグサも、ハナイバナからの経緯がなければ、特に興味を持つこともなかっただろう。