ナキリスゲ、クグテンツキ

今日は、カヤツリグサ科の植物を取り上げたい。この科の同定が手強いと思うのは、ぱっと見たときにどれも似たようなもので、きちんと調べようとすると顕微鏡が必要だったり、独特の形態用語を理解しなければならないからだろう。そんな訳で、今まで気にはなっていたのだが、同定するのを避けて来た。

まず、下のナキリスゲと同定した植物は、たぶん、他のイネ科の植物と混じって、以前から生えていたのだと思う。他の植物とは緑色の濃さが違っていて、なかなか風情があると思ったので、意図的に残すようにした。そんな場所では、けっこう立派な株になっている。


まず、スゲ属自体もよく知らないし、スゲ属全体の中でどのように区別するのかもわからないのだが、このページの植物を順番に開いて行って、なんとなく感じが似ていて、記載の項目も合っているようなので、ナキリスゲと同定した。一致する項目としては、「スゲ属植物の多くは春に開花するが、ナキリスゲは8月から10月にかけて開花・結実する」ことや、「ナキリスゲの和名は菜切菅であり、・・・葉の縁を上側から下に向かって触るとざらつき、やわらかいものならば切断することができる。」などである。


「花穂を見ると、雌小穂群の先端に飛び出した形で雄小穂群がある。」とあって、雄花と雌花が分かれているらしいのだが、花の詳細な構造については見ていない。先に茶色く伸びているのが、雄小穂群だろうか。



次に、下のクグテンツキと思えるものは、さらに難しかった。上のページにはぴったり合うものが見つからず、同ページで紹介してある、このページに行って、なんとなくクグテンツキに似ているかもと思った。



さらに、クグテンツキで検索をして、いろいろなページの写真を見てみると、似ているようでもあり、どうもしっくりこないものもある。また、このページには「検索表」が載っているのだが、それをたどるには、花の非常に細かい形態を見ないといけない。しかも、形態の用語を理解しないといけない。一応、大雑把にはたどったつもりなのだが、はたして合っているのかどうか、自信はない。実の粒(痩果というらしい)を下に掲げる。



カヤツリグサ科というもの、花の構造をじっくり理解すると、おもしろくなるかも知れない。