変な昆虫:ナモグリバエ、コマユバチ、ヒラタアブの幼虫

この春から写真に撮ったもので、ちょっと“変な昆虫”を取り上げたい。知っている人からすれば、なんてことはないものかも知れないが、私にとってはちょっとびっくりするようなものだった。


ナモグリバエ
この週末に、畑のサヤエンドウのウネを片付けた。最後は、大きくなりすぎた中身を、豆として食べた。今年のサヤエンドウは、実り始めるのが遅かったのと、強風に遭ったりして、4月末にはほとんど枯れかけていた。それでも、我が家では食べきれないくらい収穫できたので、満足していたのだが、その枯れている原因が、この昆虫であることを、お向かいの奥さんに指摘された。





(2012/04/24 撮影)

4月の下旬頃には、半分くらいが枯れていたのだが、最初は風で蔓のからみ方が変になったために、密集しているところから枯れてきたものと思っていた。ところが葉の裏側を見てみると、見事に虫が食っていた。

「エンドウ 害虫」で検索すると、このような葉っぱに潜る虫の被害のことが、いっぱい書いてある。エカキムシというのは、ミカンの葉っぱで意識をしたことはあったが、エンドウでは指摘されるまで気が付かなかった。

葉に潜るものとして、いくつかの種類がいて、その区別点を書いたサイトもいろいろあるようなのだが、なにしろ成虫を捕まえてまで観察をしていないので、ここのサイトに書いてある、「主に葉裏にいる」、「葉の中で蛹になる」ことなどから、ナモグリバエとしておく。

来年も出現するだろうから、そのときはまたいろいろ観察してみたい。




アオムシコマユバチ
我が家と東隣の家の間にはコンクリートの塀があって、その壁面に、奇妙なモンシロチョウの幼虫がくっついていた。



(2012/05/13 撮影)

遠くからでも緑色が目立つので、当初は蛹かと思ったが、幼虫の中身がはみ出したようになっている。なにかに捕食されたのかもと思ったが、滑らかで垂直な壁面に止まるようなものも想像がつかなかった。

それで、写真だけは撮ったものの見当もつかないでいたところ、いつもの福光村昆虫記でたどっていると、そこのコマユバチが似ているように思えた。さらに、この文章を書くために、コマユバチで検索すると、アオムシコマユバチだと思える。

ホストの幼虫がモンシロチョウであることは、この時期にブロッコリーを見事に裸にしてくれていたので、たぶん間違いがないだろう。しかし、このブロッコリーなどを植えているところからは、それなりの距離はあるので、このような高くて目立つところまで、寄生者がホストを操作して導いたのだろうか。



(2012/05/16 撮影)


一度、このようなものを見ると、隣の壁のちょっとしたものも気になる。それで、以下のようなものが付いているのを見つけた。



(2012/05/17 撮影)

なにかの卵なのか、繭なのか、これは迷宮入りだろうなと思っていた。それが、今回アオムシコマユバチのことを検索していると、どうやらアオムシコマユバチの繭らしい。

このあたりのことは、チョウの幼虫を飼育する人には、一連の経過として、よく見られることらしい。それを、野外でたまたま観察できたことになる。



ヒラタアブの仲間の蛹

以下の写真も、昆虫なのか、植物の分泌物なのか、わけのわからないままに写真を撮った。




(2012/04/30 撮影)

これも迷宮入りかと思っていたら、コマユバチを見ていた福光村昆虫記のページで、ヒラタアブの仲間の蛹の写真を見て、これだ!と思った。

ヒラタアブの幼虫は、アブラムシ類を食べるらしい。アブの幼虫というと、水中にいるものと思いこんでいたので、少し意外だった。そうすると、どのようなアブラムシを食べていたのかと思うのだが、その付いていた植物が思い出せない。写真の葉っぱをシゲシゲと眺めてみると、それなりに特徴的だと思えるのだが…。